原子力発電

2026-05-22

原子力発電 — wiki.factorio.comからのFactorioガイドの移植。発電方法や比率、各種発電機の特性を詳しく解説。

電力は消費する前にまず作らなければならず、 Factorio の発電方法は意外と多くて、 序盤の蒸気から終盤のフュージョンまで段階的に解放されていく、 という構成になっています。
ここでは全体像と、 それぞれの「最適比率」 を整理しておきたいと思います。

蒸気エンジンによる火力発電

構成と基本比率

序盤で最初に組むのが、 ほぼ全員ボイラー + 蒸気エンジンの構成で、 フル稼働時、 蒸気エンジン 1 基は fct.term.building_boiler 0.5 基ぶんの蒸気を要求します。
逆に言えば、 ボイラー 1 基は蒸気エンジン 2 基ぶんの蒸気を供給できる、 ということになります。

fct.term.building_offshore_pump (沖合ポンプ) 1 基は、 ボイラー 200 基・蒸気エンジン 400 基まで給水できる計算で、 序盤の水源 1 つで賄える発電規模は意外と大きいです。

なぜ 1:200:400 になるのか

比率はゲーム内データから素直に組み立てられます。
ボイラーは燃料を燃やして 1.8 MW を 100% 効率で蒸気に変換し、 蒸気エンジンはその蒸気を 0.9 MW で消費するため、 ボイラー 1 基で蒸気エンジン 2 基が回る、 というシンプルな話です。

水量側もきれいに割り切れる構造になっています。
ボイラーは毎秒 6 ユニットの水を消費して 60 ユニットの蒸気を吐き、 蒸気エンジン 1 基はその蒸気を毎秒 30 ユニット (水換算 3 ユニット) 使う、 という仕様です。
沖合ポンプは毎秒 1200 ユニットの水を出すので、 1200 ÷ 6 = 200 となり、 ここから 1 (沖合ポンプ) : 200 (ボイラー) : 400 (蒸気エンジン) という有名な比率が出てきます。

経験上、序盤の電力不足は「比率がずれている」より「燃料が来ていない」ことの方が多い印象です。

太陽光と蓄電池の構成

火力からの移行

火力の次に組むのが fct.term.building_solar_panel + fct.term.building_accumulator のセットです。
汚染ゼロで燃料も不要、終盤は主力にもなります。

最適比率

最適比率は fct.term.building_accumulator : fct.term.building_solar_panel = 0.84 : 1 (21 : 25) で、 1 MW を昼夜サイクルを通じて賄うには、 太陽光パネルが 23.8 枚必要となり、 この本数には夜間用の蓄電池を充電するぶんのパネルも含まれている、 という計算になっています。

言い換えると、 平均 1 MW を出すには、 ピーク時で 1.428 MW・蓄電容量 100 MJ が要る、 ということで、 「平均」 と「ピーク」 の違いを意識しないとあっという間に足りなくなる、 というのが太陽光発電の最初の落とし穴です。

「だいたい」 で済む比率

実プレイでは、 蓄電池 : 太陽光パネル : MW = 20 : 24 : 1 という近似比率がよく使われていて、 10 MW の工場なら蓄電池 200・パネル 240 でだいたい昼夜回せる、 というやつです。

この近似は最適比率と比べてパネル 2 枚ぶん多めですが、 大した差ではないので序盤〜中盤はこちらで十分です。
ただし、 規模を大きくするほど誤差はじわじわ効いてくるので、 メガベース規模なら最適比率に寄せた方が無難になります。

Vulcanus の特殊事情

Space Age の fct.term.planet_vulcanus は昼夜サイクルが 90 秒と短く、 day = 45 s、 dawn / dusk = 18 s、 night = 9 s となります。
比率自体は次のように簡略化されます。

Accumulators / Solar_panels = 15.2 s × Solar_power / Accumulator_energy

加えて、Vulcanus の大気では太陽光発電量が Nauvis の 400% まで跳ね上がります。
通常品質なら、太陽光パネル 1 枚あたり蓄電池 0.72576 個。
「パネル 4 : 蓄電池 3 (3 : 4)」がかなり近い近似比率です。

ちなみに Vulcanus は燃料供給が極端に楽なので、ソーラーをわざわざ組まずに fct.term.building_heating_tower で済ませる人も多い印象です。

原子力発電

全体の流れ

中盤以降、 汚染を抑えつつ大きな MW を取りたいなら、 ほぼ一択で原子力発電になります。

ウラン鉱石を採掘・処理して U-235 と U-238 に分離し、 そこから fct.term.item_uranium_fuel_cell を作ります。
燃料棒を fct.term.building_nuclear_reactor で燃やして熱を発生させ、 その熱はヒートパイプ経由で fct.term.building_heat_exchanger へ送られ、 熱交換器が水を蒸気に変え、 fct.term.building_steam_turbine が蒸気を電力に変える、 という縦に長い流れになります。

隣接ボーナスと熱交換器の数

隣接ボーナスのない原子炉 1 基は、 生み出した熱を取りこぼさないために熱交換器 4 基を必要とし、 隣接ボーナスが +100% 増えるごとに、 必要な熱交換器も +4 基ずつ増えていく、 と覚えておけば配置設計が楽になります。

理想比率と「簡易比率」 を並べておきます:

設備 理想比率 簡易比率
沖合ポンプ 2 1
熱交換器 233 116
蒸気タービン 400 200

簡易比率は「燃料を 100% 燃やし切ること」を諦めて、現実的な台数まで丸めたものです。
序盤の核ブロックは簡易比率からでだいたい問題ありません。

加熱塔 (Heating tower)

原子炉の代替熱源

fct.term.building_heating_tower は fct.term.planet_gleba で初めて研究できる、ヒートパイプと熱交換器の代替熱源です。
原子炉と違ってこちらは従来型の燃焼装置で、標準燃料を燃やす。
動作モデルとしては「ボイラー Mk2」 と考えてもよいでしょう。

出力と効率

加熱塔は燃料から 16 MW ぶんを取り出しますが、 効率が 250% あるため、 結果として燃料 16 MW から熱としては 40 MW を生成する計算になります。
出た熱は原子炉と同じく熱交換器に渡されて電気に変わる、 という発電末端の構造は原子力と共通です。

加熱塔 1 基の電力出力は、 ざっくり原子炉 1 基と同等になります。
ただし隣接ボーナスは効かないため、 加熱塔と熱交換器の比率は常に 1 : 4 で固定で、 配置が単純になるので、 こだわらないシンプルな設計に向いています。

余剰可燃物の処理に使える

最大温度は原子炉と同じ 1000℃ ですが、上限に達しても燃焼は止まりません。
fct.term.planet_gleba で出る余剰果実 / 腐敗物や、 fct.term.planet_fulgora で詰まりがちな fct.term.item_solid_fuel を「処分」 する用途にも転用できます。

汚染量はボイラーより少ない

意外と知られていない数値なのですが、 加熱塔は MW あたりの汚染がボイラーよりかなり小さく、 同じ電力を取り出すのに環境負荷が大幅に低いです。
ボイラーは汚染 1 あたり 3.6 MW で、 加熱塔は同じ汚染で 24 MW を発電できるため、 比率にして約 6.7 倍、 加熱塔の方がクリーンに発電できます。

💡 加熱塔は「ボイラーの上位互換」 として序盤の汚染戦略にもハマります。
バイター対策で発電汚染を減らしたいときに有効です。

雷力 (Lightning power)

Fulgora 専用の電源

fct.term.planet_fulgora では、避雷針や雷コレクターが落雷を受けると一時的な電源になります。
仕組みはおおむね以下のとおりです。

1 回の落雷のエネルギー

落雷 1 回のエネルギーは 1 GJ で、 避雷針や fct.term.building_lightning_collector は、 その一部を集めて電力網に流す、 という仕組みです。

蓄えられる量は機器の効率で決まり、 効率は品質ごとに変わります。
通常品質の避雷針なら効率 20% なので、 落雷 1 回で 200 MJ を蓄える計算で、 通常品質の fct.term.building_lightning_collector は効率 40% で 400 MJ、 という具合に倍率がはっきり違います。

放電と「使うか失うか」

避雷針 / コレクターの放電率はどちらも 150 MW で、 蓄電があるかぎり、 電力網の需要をまるごと供給できる、 という頼もしい電源になります。

ただし内部排出として毎秒 150 MJ (1 ティックあたり 2.5 MJ) が外に逃げていく、 という落とし穴があり、 雷力は「使うか失うか」 の電源で、 貯めておくにはそれ用の蓄電池が要ります。

通常品質の避雷針は落雷 1 回で最大 1.33 秒間発電し、 コレクターは最大 2.67 秒。
コレクターのうれしい点は、 落雷範囲が広いことと放電時間が長いことで、 同じ電力網を支える性能としては明確に上です。

蓄電池との組み合わせは厳しい

落雷のエネルギーを蓄電池に流し込むのは、実は数字上かなり厳しいです。
通常品質の蓄電池は充電速度が 0.3 MW しかなく、放電側 150 MW とは桁が違います。

避雷針 1 本の落雷 1 回に対して、通常品質の蓄電池 125 個だと約 1 秒間で 37.5 MW を引き出し、蓄えられるのは 200 MJ のうち 40 MJ ぶんだけ。
残り 160 MJ は避雷針の内部排出で消えます。
蓄電池 500 個なら 0.67 秒で 100 MJ、1000 個でも 0.5 秒で 135 MJ といったところ。

落雷のエネルギーを丸ごと吸収するには、 ネットワークが 1 ティック内で全エネルギーを呑み込める必要があります。
通常避雷針で 12 GW、伝説級コレクターで 60 GW。
普通の工場規模では現実的ではありません。

ちなみに、通常品質の蓄電池 500 個は雷コレクター 1 基の保護範囲には収まらず、避雷針の小領域ならなおさら無理です。
Fulgora の地形に合わせて、現地で薄く広く配置するスタイルが基本になります。

核融合発電 (Fusion power)

核融合は fct.term.planet_aquilo でしか作れない材料 2 種を必要とします。
fct.term.item_fusion_power_cell (核融合パワーセル) と fct.term.fluid_fluoroketone_cold (冷却フルオロケトン) です。

パワーセルは fct.term.planet_fulgora から輸入した fct.term.item_holmium_plate と、 fct.term.planet_aquilo 固有の流体資源で作ります。

動作の流れ

fct.term.building_fusion_reactor はパワーセル・冷却フルオロケトン・電力を消費して fct.term.fluid_fusion_plasma を生成。
プラズマは fct.term.building_fusion_generator に送られ、電力と熱フルオロケトンを生み出します。

熱フルオロケトンは fct.term.building_cryogenic_plant で冷却して冷フルオロケトンに戻せるため、自己持続ループを組めます。
ただし炉自体がプラズマ生成に 10 MW を消費するので、立ち上げには別の電源が必要です。
一度動き出せば、発電機 1 基だけで炉を維持できる程度の電力が出ます。

他惑星へ持っていけるか

アンモニア (パワーセル製造に必要) はバレル化できないため、パワーセルの製造そのものは fct.term.planet_aquilo でしか行えません。

一方、冷 / 熱フルオロケトンはバレル化可能なので、パワーセルと一緒に他惑星へ輸送できます。
「Aquilo で製造、 他惑星で運用」 という体制を組めば、宇宙プラットフォームや前哨基地の主電源にもなります。

比率計算

核融合炉は基礎で 1.0 M℃ のプラズマ温度を生成します。
隣接する炉 1 基ごとに、最大到達温度に +1.0 M℃ ぶん加算される、という仕様です。

実際のプラズマ温度は隣接ボーナスに依存し、隣接ボーナスは炉の配置と現在のプラズマ生成率で決まります。
ある炉が最大出力でプラズマを出していれば、 同一隣接の炉はすべて 100% の隣接ボーナスを得ます。
発電機が使う温度は、 セットアップ内の全炉の平均プラズマ温度です。

核融合炉と発電機の最適比率は、次の単一式で計算できます。

G = (R + N) × PO / PC
  • G: 与えられた炉配置に対する最適な発電機数
  • R: 核融合炉の数
  • N: 全炉の隣接ボーナスの合計 (整数)
  • PO: 炉の最大プラズマ出力
  • PC: 発電機の最大プラズマ消費量

炉と発電機が同じ品質階級なら、もっと簡単に書けます。

G = 2 × (R + N)

立ち上げ時の振る舞い

このあたりは数式だけだとピンと来ないので 1 文補足。
立ち上げ直後の核融合セットアップは、最大温度より低い温度でプラズマを出します。

工場の電力需要が増えるとプラズマ生成量が伸び、隣接ボーナスも上がります。
隣接ボーナスが上がるとプラズマ温度も上がり、利用効率がさらに改善する、という正のフィードバックがかかります。
最大温度に到達するとピーク出力が出るようになる、というわけです。

停電のチェックリスト

電源を入れ替える前に、 「いま発電は本当に足りていないか」 を切り分けます。
停電・部分停電 (brownout / blackout) のトラブルシュートにも使える素朴な手順です。

  • 蒸気エンジンが電力系統に繋がっていますか? 未接続なら小さな黄色い三角が点滅します。
    電柱を 1 本足せばつながる、 というシンプルな話のことがほとんどです。
  • 蒸気は全ての蒸気エンジンに届いていますか?
  • パイプに水は来ていますか? カーソルを当てて中身を確認、 場合によっては末端にタンクを置いて水位を見るのが手堅いです。
  • 工場は燃料 (fct.term.item_coal / fct.term.item_solid_fuel / fct.term.item_uranium_fuel_cell) を十分作れていますか?
  • 蒸気発生装置 (ボイラー / 熱交換器) の台数は足りていますか?
  • 蒸気エンジン / タービンは需要に対して十分ですか?

序盤で詰まる典型パターンは、 「水が来ていない」 と「燃料切れ」 の 2 つに集中する印象です。
発電量の計算より前に、 まずここを潰しましょう。